
こんにちは。Sun Asterisk クラウド支援サービスチームです。
自社に蓄積されたデータを最大限活用するには、老朽化したデータ基盤を最新の環境へと刷新する「データモダナイゼーション」が欠かせません。生成AIの普及やクラウド活用の広がりとともに、この言葉を耳にする機会も増えてきました。
本記事では、データモダナイゼーションの基本的な考え方から、マイグレーションやDXとの違い、必要とされる背景、具体的な進め方や注意点をわかりやすく解説します。
- データモダナイゼーションの定義とマイグレーション・DXとの違い
- AI・クラウド時代にデータモダナイゼーションが求められる背景
- 老朽化したレガシーシステムが抱える課題と刷新するメリット
- データモダナイゼーションを進めるための具体的な6つのステップ
- 実践する際に押さえておくべき注意点と成功のポイント
データモダナイゼーションとは
データモダナイゼーションの概要や、混同しやすい用語との違いを詳しく解説します。
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データモダナイゼーションの概要
データモダナイゼーションとは、企業が保有するデータを、AIやクラウドなどの最新技術で活用しやすい形へ刷新する取り組みのことです。多くの企業では、販売管理システムや顧客管理システムなど、複数のシステムにデータが分散しています。
データモダナイゼーションによってこれらのデータを統合・整理し、分析やAI活用がしやすくなると、データを経営資源として顧客分析・事業状況の把握など、さまざまな用途で活用できるようになります。DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進やAI活用が進むなか、データモダナイゼーションは企業の競争力を高められる重要な要素です。
データモダナイゼーションとマイグレーションの違い
データモダナイゼーションとよく似た言葉に「マイグレーション」があります。マイグレーションとは、既存のシステムやデータを別の環境へ移行することです。単純に現在の構成を維持したまま移すケースだけでなく、移行先に合わせてデータ形式やシステム構成を変更するケースもあります。
一方、データモダナイゼーションは、移行にとどまらず、データの統合・整理までに及ぶため、データ周りの環境を最新の仕組みへ作り替えることとも捉えられます。マイグレーションが「引っ越し」だとすれば、データモダナイゼーションは「建て替え」に近い取り組みといえるでしょう。
データモダナイゼーションとDXの違い
DXは、デジタル技術を活用してビジネスモデルや業務プロセス、組織のあり方そのものを変革する取り組みを指します。これに対してデータモダナイゼーションは、DXを支える土台となる、データ基盤の刷新に焦点を当てた取り組みです。
どれほど優れたDX施策を描いても、その根拠となるデータが散在し、品質が低いままでは十分な成果は得られません。データモダナイゼーションによって整備された良質なデータ基盤が整うと、AIを活用した需要予測や、顧客体験の刷新といったDXの取り組みによる効果が発揮されやすくなります。
AI・クラウド時代にデータモダナイゼーションが必要とされる背景
近年、生成AIをはじめとするAI技術の活用が急速に広がっています。AIを業務や分析に有効活用するには、用途に適した品質の高いデータへ必要なタイミングでアクセスできる環境を整えることが重要です。
しかし、老朽化したデータ基盤では、データが部門ごとに分散していたり、形式がバラバラであったりするため、AIに学習させるためのデータを整えるだけで多くの時間とコストがかかることが問題です。
また、市場や顧客ニーズの変化が加速するなかで、企業には勘や経験ではなく、リアルタイムのデータに基づいた素早い意思決定が求められるようになりました。こうした背景から、AI活用とクラウド活用の両方を見据えたデータモダナイゼーションの必要性が、業種を問わず高まっています。
レガシーシステムが抱える課題

長年運用されてきたレガシーシステムには、次のような課題が指摘されています。まず、内部構造が複雑化・ブラックボックス化し、仕様を正確に把握している担当者がいないケースです。担当者の退職や異動によって、保守そのものが困難になるリスクを抱えています。
次に、部門やシステムごとにデータが分散して管理されているケースが多く、全社横断でのデータ活用が難しく、経営判断に必要な情報をタイムリーに集約できないということも課題です。加えて、古い技術基盤では、製品のサポート終了やセキュリティ更新への対応が難しくなる場合があり、適切な対策を講じられなければ、脆弱性や情報漏洩などのリスクにつながります。
さらに、老朽化したハードウェアの保守や、対応できる技術者の減少により、運用コストそのものが年々増加していく点も課題の1つです。限られたIT予算の多くが既存システムの維持管理に割かれてしまい、新たな投資に踏み出せない「技術的な負債」に陥っている企業もあります。
企業がデータモダナイゼーションを行うメリット
企業がデータモダナイゼーションを行うメリットを詳しく見ていきましょう。
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業務の効率化・データ活用が進む
モダナイゼーションによってデータが一元的に整備されると、必要な情報を探し出す手間が減り、部門を横断した分析や意思決定がスムーズになります。BIツールなどと連携させれば、経営層や現場担当者がリアルタイムに近い形で状況を把握できるようになり、勘や経験だけに頼らないデータドリブンな経営判断が可能になります。
これまで手作業で行っていた集計・レポート作成の負担が減ることで、担当者はより付加価値の高い分析業務に時間を割けるようになる点もメリットです。
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ビジネスの変化に柔軟に対応できる
クラウドをベースとした柔軟な基盤へ刷新することで、事業環境や市場の変化、データ量の増減に応じて、システムの拡張や縮小を迅速に行えるようになります。新しいサービスやツールとの連携も容易になり、変化の速い市場でも競争力を維持しやすくなります。
運用コストが削減できる
老朽化したハードウェアの保守や、複雑化したシステムの維持には多くの人的・金銭的コストがかかります。
クラウド化することにより、利用状況に応じて必要なリソースを柔軟に調整することが可能です。ただし、クラウド化しただけでコスト削減ができるわけではなく、適切なサイジングや利用状況の継続的な見直しが重要です。こうした取り組みによって、必要以上のリソース利用を抑え、中長期的な運用コストの最適化につながりやすくなります。
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データモダナイゼーションを進める6つのステップ

データモダナイゼーションを進める際は、まず事業上の目的やデータ活用のユースケースを明確にし、既存システムやデータの状況、移行対象となる範囲を整理しておくことが重要です。そのうえで、目指すデータ基盤の全体像や移行方針を定め、具体的な実行フェーズへ進みます。
ここからは、こうした事前検討を終えた後に行う、データの統合・整備から活用、運用体制の構築までの流れを6つのステップに分けて解説します。
1. 社内に点在するデータの統合
まず、部門やシステムごとに分散しているデータを洗い出し、統合対象となるデータソースを明確にします。基幹システムや顧客管理システムなど、どのデータをどの範囲まで統合するのかを整理しましょう。
2. データのクレンジングによる品質向上
次に、重複データの排除や表記ゆれの統一、欠損値・誤入力の修正など、データの品質を高めるデータクレンジングを行います。分析の精度は元データの品質に大きく左右されるため、クレンジングはモダナイゼーションの成否を左右する重要な工程です。
3. データ活用に適した基盤の整備
データの用途や既存環境に応じて、データを蓄積・分析するための基盤を整備します。選択肢の一つが、クラウド型のデータウェアハウス(DWH)です。構造化データを一元的に蓄積し、必要なときに取り出しやすい環境を整えることで、分析やデータ活用を進めやすくなります。
4. クラウドとビッグデータ活用による基盤の強化
DWHに加えて、画像やログ、SNSデータといった非構造化データも扱えるデータレイクなどを組み合わせ、ビッグデータを柔軟に処理できる基盤に整えられます。クラウドの拡張性を生かすことで、将来的なデータ量の増加や新たなデータソースの追加にも対応しやすくなります。
5. BIツール等を用いた高度なデータ分析
整備されたデータ基盤に対してBIツールを接続し、可視化やレポーティングを行います。ダッシュボードを通じて経営指標を可視化することで、迅速な意思決定や課題の早期発見につなげることが可能です。さらにAIによる需要予測や異常検知といった高度な分析を組み合わせることで、データ活用の幅をさらに広げられます。
6. 安全な運用に向けたデータガバナンスの確立
最後に、データの取り扱いルールやアクセス権限、セキュリティポリシーなどを定めるデータガバナンス体制を確立します。誰が、どのデータに、どこまでアクセスできるのかを明確にし、継続的に運用・見直しを行う体制を整えましょう。
データモダナイゼーションの注意点
データモダナイゼーションはメリットを享受できる一方、把握すべき注意点もあります。ここでは主に4つのポイントを解説します。
レガシーシステムの分析を行う
移行を始める前に、既存システムの構成やデータの依存関係を正確に把握しておく必要があります。事前の分析が不十分なまま着手すると、想定外の不具合や移行漏れが発生するリスクが高まります。
併せて読みたい:レガシーシステムとは?問題点と脱却の進め方を実務目線で解説
ビジネスプロセスを明確にする
データモダナイゼーションは技術的な取り組みに見えますが、目的はあくまで事業課題の解決です。どの業務プロセスを、どのように改善したいのかを明確にした上で、基盤設計に落とし込む必要があります。IT部門だけでなく、実際にデータを利用する現場部門を巻き込みながら要件を整理することも成功の秘訣です。
データの移行と整合性を担保する
移行作業では、データの欠落や重複、形式の不一致が起こりやすいため、移行前後でデータの整合性を検証する仕組みが欠かせません。段階的に移行を進め、都度検証を行うことでリスクを抑えられます。万が一のトラブルに備えて、旧システムへ切り戻せる手順やバックアップ体制を用意しておくことも大切です。
本番前にテストを実行する
本番環境へ切り替える前には、必ず十分なテストを実施しましょう。実際の業務データやシナリオに近い形での検証を行うことで、稼働後のトラブルを未然に防ぐことができます。
まとめ
データモダナイゼーションは、老朽化したデータ基盤を刷新し、AIやクラウドを生かしたデータ活用を実現するための重要な取り組みです。マイグレーションやDXとの違いを理解した上で、自社のレガシーシステムが抱える課題を整理し、データ統合からガバナンス確立まで段階的に進めることが成功の鍵となります。
一方で、データ基盤をいくら刷新しても、現場の担当者が日々向き合う業務システムそのものが使いにくい状態のままでは、データ活用の効果を十分に引き出せません。
データモダナイゼーションと合わせて、業務プロセスやUI/UXといった視点から社内システムを見直すことも、成果を最大化するうえで欠かせない取り組みです。株式会社Sun Asteriskでは、業務システム改善の実践的な考え方や進め方を事例とともに解説した資料を、無料で公開しています。ぜひお気軽にお問い合わせください。
よくある質問
Q データ基盤のモダナイゼーションとマイグレーションの違いは何ですか?
Q データ基盤のモダナイゼーションを検討する場合、まず何から着手すべきですか?
Q データ基盤のモダナイゼーションはどのような手順やステップで進められますか?
Q データ基盤のモダナイゼーションでよくある失敗パターンや注意点にはどのようなものがありますか?
Q データ基盤のモダナイゼーションを行うにはどれくらいの費用や期間がかかりますか?
Q データ基盤のモダナイゼーションを進める際の適切な社内体制や外部との連携方法を教えてください。
老朽化・ブラックボックス化した基幹/業務システムの刷新について、考え方と進め方を解説しました。
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