こんにちは。Sun Asterisk クラウド支援サービスチームです。
企業が利用するSaaSやシステムが増加するなか、業務自動化や新規事業の立ち上げにおいてAPI連携の重要性が高まっています。しかし、その概念や仕組み、自社の課題に適した開発手順が分からないという声も少なくありません。この記事では、API連携の基礎知識から導入メリット、主要プロトコル、開発ステップ、注意点までを解説します。
- API連携の定義と、重視されている背景
- リクエストとレスポンスによるAPI連携の仕組みやREST・SOAPの違い
- コスト削減やユーザー体験向上など、API連携の導入メリット
- 要件策定からリリースまで、API連携を開発する5つのステップ
- 仕様変更や障害、APIキー漏洩など導入・運用時の注意点と活用例
API連携とは?
まずは、API連携の基本的な意味と、ビジネスの現場で重要視されている背景について解説します。
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システム同士をつなぐAPIの定義
API(Application Programming Interface)とは、ソフトウェアやプログラム同士をつなぐインターフェースです。API連携は、この仕組みを利用して異なるシステム間でデータや機能を共有することです。外部システムが提供するデータや機能をAPI経由で利用できるため、異なるシステム間で処理を連携できます。
API連携が重視される背景
クラウドサービスやSaaSの利用が広がり、企業内で複数のシステムを使い分けるケースが増えています。システムごとにデータを管理すると情報が分散し、同じ内容を複数箇所へ入力するなどの手間が生じます。API連携を使えば、複数システム間でデータをやり取りしたり、処理を自動化したりできます。既存事業の機能拡張や新規プロダクト開発にも活用できます。
API連携の仕組み
次に、API連携の基本的な仕組みを解説します。
リクエストとレスポンスの処理フロー
API連携は、リクエスト(要求)とレスポンス(応答)というシンプルな処理フローで成り立っています。まず、利用側のシステムがAPIを通じて「このデータをください」や「この処理を実行して」とリクエストを送信します。次に、提供側のシステムがその要求を受け取って処理を行い、結果をレスポンスとして利用側へ返却します。
主流となっているWeb APIの特性
Web APIは、Web技術を利用してシステム間でデータや機能をやり取りするAPIです。HTTP/HTTPSを利用するものが一般的で、異なるOSやプログラミング言語で構築されたシステム間でも連携できます。
API連携におけるおもなプロトコルと種類

API連携でよく使われる代表的な方式として、REST APIとSOAP APIを紹介します。
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汎用性と拡張性に優れたREST API
REST APIは「REST(Representational State Transfer)」という設計原則に基づいたAPIです。シンプルな構造で汎用性が高く、Webサービス間の連携に広く使われています。通信データ形式として軽量なJSONやXMLがよく使われ、開発者が扱いやすいのが特徴です。幅広いプロダクトの連携に有効です。
セキュリティ要件に対応しやすいSOAP API
SOAP APIは、XMLフォーマットのメッセージを用いて通信を行うプロトコルです。REST APIと比べて仕様が明確に定められており、WS-Securityなどの拡張仕様と組み合わせることで、認証・暗号化などのセキュリティ要件に対応できます。
また、関連するWS-*(WS-asterisk)仕様を利用して、複雑な処理にも対応できます。
高い信頼性やセキュリティ要件が求められる業務システムなどで採用されることがあります。
API連携の導入メリット
外部APIの活用により、開発部門や事業推進においてどのようなメリットがあるのかをまとめました。
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自社システム構築の工数とコスト削減
API連携のメリットのひとつは、既存のAPIを活用して機能の一部を実装できることです。実績のある外部サービスをAPI経由で自社システムに組み込めば、開発工数とコストを削減できます。開発リソースをコア業務や独自の価値提供に集中させられるため、品質を維持しながら、迅速にプロジェクトやシステム構築を進められます。
最新機能の迅速な取り込みと機能拡張
APIを提供する外部サービスでは、機能追加やセキュリティ対策の更新が行われることがあります。APIの提供元が機能を更新すれば、自社で同じ機能を一から開発することなく、新しい機能を取り込める場合があります。AIによる画像認識や高度なデータ分析といった機能を利用し、サービスに新しい機能を追加できます。
ユーザー体験と顧客利便性の向上
複数のサービスがAPIでつながると、ユーザーはシームレスな体験を得られます。他社のSNSアカウントを用いたソーシャルログイン機能や、外部の決済システムへの遷移などが代表例です。利便性の高いサービスを提供できるため、結果として顧客満足度の向上やサービスからの離脱率低下、ひいてはプロダクトの売上拡大をもたらします。
認証・アクセス管理の統合とセキュリティ維持
社内の複数システムでIDやパスワードを個別に管理すると、情報漏洩や不正アクセスが生じかねません。認証APIや認証基盤を連携させれば、システム間で認証情報を連携し、アクセス制御や権限管理を行いやすくなります。また、セキュリティ対策が施された外部のAPIを利用すれば、安全に顧客データや機密情報を守りながら事業データを活用可能です。
API連携の開発を進める5つのステップ

実際にAPI連携をプロジェクトに導入する際、スムーズに開発を進めるための5つの手順を解説します。
連携目的の定義と要件策定
何のためにAPI連携を行うのかという目的を明確にし、必要な要件を策定します。対象となるデータは何か、どの業務を自動化するのか、既存プロダクトにどんな価値を付加するのかなどです。この段階で、トラフィック量やセキュリティ基準などの非機能要件も含めて精査しておくと、後続の選定や実装フェーズでの手戻りを防げます。
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連携候補となるAPIの選定
要件が固まったら、目的に合う外部APIを選定します。提供されている機能が自社の要件に合致するかはもちろん、APIの仕様書が充実しているか、十分なサポート体制があるかの確認が重要です。また、商用利用における料金体系や、リクエスト数の上限などの運用面も比較検討し、最適なAPIを総合的な視点から見極めます。
APIキーなどの認証情報の取得
APIの選定後は、提供元への利用登録など必要な手続きを行い、APIキーやアクセストークンなどの認証情報を取得します。APIキーやアクセストークンは、APIへのアクセスに用いる認証・認可情報です。種類によって役割は異なりますが、漏洩すると不正アクセスにつながるおそれがあるため、適切に管理する必要があります。不正利用を防ぐため、環境変数で管理するなど、安全に保管した上でシステムに組み込む必要があります。
仕様書に基づくプログラム実装
取得した認証情報を用いて、提供元が公開しているAPIリファレンスや仕様書に従い、実際にプログラムを実装するフェーズです。リクエスト先のURLに対して、どのようなパラメータを付与して送信するか、また返ってきたレスポンスデータをどう活用するかをコーディングします。エラー発生時のリトライ処理や例外処理も組み込みます。
動作テストと本番環境へのリリース
実装後は、テスト環境を用いてAPIが仕様通りに動作するかを検証することが欠かせません。正常なデータ連携が確認できるだけでなく、意図的にエラーを起こして適切なエラーハンドリングが機能するかどうかもテストします。リリース後もAPIのレスポンス速度やエラー発生率をモニタリングし、継続的に監視する運用体制が必要です。
API連携を導入・運用する際の注意点
API連携は外部システムに依存するため、運用上のリスクや注意点もあります。
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提供元による仕様変更やサービス終了
外部APIを利用する場合、提供元であるベンダーの都合により仕様が突然変更されたり、サービス自体が提供終了になったりするリスクがあります。仕様変更が行われると、自社システム側でもプログラムの改修が必要です。必要に応じて代替のAPIへスムーズに移行できるよう、システムの疎結合化を意識しておくことが大切です。
リクエスト上限と利用料金の変動
多くのAPIには、一定時間内に送信できるリクエスト数の上限が設定されています。サービスの急成長などによりアクセスが急増すると、上限を超えてしまい、APIが一時的に利用できなくなる恐れがあります。また、利用量に応じた従量課金制を採用しているAPIも多いため、運用コストが急増するリスクを考慮したシステム設計が必要です。
障害発生時における原因切り分けの困難さ
連携先のシステムで障害が発生した場合、自社システムにも影響が及び、一部の機能が利用できなくなる場合があります。エラーの原因が自社システムにあるのか、API提供元にあるのかの切り分けは困難です。障害発生時の影響を抑えるため、タイムアウト設定やシステムを切り離す仕組みを導入し、原因を確認できるログ基盤を整備しておきます。
APIキー漏洩リスクとアクセス制御
取得したAPIキーやトークンが万が一外部に漏洩すると、悪意のある第三者による不正アクセスにつながり、自社の機密データが流出したり、不正な操作をされたりするおそれがあります。認証情報はGitHubなどの公開リポジトリにプッシュしないよう管理します。適切なアクセス制御とセキュリティ対策を継続して運用することが重要です。
API連携の活用例
API連携が具体的にどのように活用されているのか、代表例を紹介します。
社内システム
営業部門が利用する顧客管理システムと、経理部門が利用する会計ソフトをAPIで連携させるケースがあります。営業が入力した受注データが自動的に経理の請求書発行システムへ同期され、二重入力の手間や人為的ミスを減らせます。
SNS
自社メディアの記事を公開した際、X(旧Twitter)やFacebookなどのSNSへ自動投稿させたり、自社プロダクトの会員登録時にSNSアカウント情報を利用したソーシャルログインを実装したりする方法も広がっています。
既存プロダクトへの機能追加
既存のアプリやサービスに、外部の決済サービスや地図サービス、AIによる画像認識などのAPIを組み込むケースです。機能をゼロから開発せずに追加できるため、検証から提供までの期間を短縮しやすくなります。
他社サービスとのデータ連携
新規事業で他社サービスと連携する場合、自社がAPIを公開する側になることもあります。連携するデータ項目の定義、認証方式、障害発生時の連絡体制などを、連携先と事前に取り決めておくことが重要です。
まとめ
API連携は、システム間のデータ共有や業務自動化に活用できる手段です。効果を得るには、自社の課題やセキュリティ基準に適したAPIを選定し、運用方法を整えることが重要です。提供元の仕様変更への対応や障害時の切り分けまでを見据え、長期的に安定稼働するシステム体制を整えることがポイントです。
株式会社Sun Asteriskでは、DXコンサルティングからシステム設計、本格的な開発まで一気通貫で支援しており、API連携を前提としたアプリの改修・再設計もご相談いただけます。既存アプリの見直しを検討している方は、ぜひ「アプリリニューアル・再設計ガイド」をご活用ください。