
こんにちは。Sun Asterisk クラウド支援サービスチームです。
事業環境や働き方が変化し、クラウドやAIを活用したデータ利用も広がるなか、基幹システムには新しいサービスや業務へ柔軟に対応できる仕組みが求められています。こうした状況を受け、長年利用してきたメインフレームの今後を見直す動きもみられます。
しかし、「オープン化によってどのような効果が見込めるのか」「どう進めるのか」と判断に迷う担当者もいるでしょう。移行にはコストや期間もかかるため、自社にとって本当に必要かを見極めることが重要です。
この記事では、メインフレームのオープン化の意味や背景、メリット、おもな移行手法、具体的な進め方まで解説します。
- メインフレームをオープン化する意味や背景
- システム移行によって得られるメリットとコスト削減効果
- オープン化に着手する前に確認しておくべき重要なポイント
- リホスト・リライト・リビルドなどのおもな手法とそれぞれの違い
- 現状の把握から段階的な移行に至るまでの具体的な進め方
メインフレームのオープン化とは
メインフレームのオープン化とは、メインフレーム上で稼働している業務システムを、オープン系のサーバーやクラウドなどへ移行・再構築する取り組みです。メインフレームは、大量のデータや取引を安定して処理し、金融や製造、流通などの基幹業務を支えてきました。
オープン化の対象には、アプリケーションだけでなく、OSやミドルウェア、データベース、各種データなども含まれます。ただし、既存システムを全て刷新することだけがオープン化ではありません。
現在のプログラムをできるだけ維持したまま稼働基盤を移す方法や、既存コードを書き換える方法、業務要件に合わせて新しく構築する方法などがあります。企業ごとにシステム構成や業務への影響が異なるため、対象範囲と移行方法を整理した上で進めることが重要です。
メインフレームのオープン化が急務となっている背景
メインフレームのオープン化が注目される背景には、システムの複雑化や保守人材の確保といった課題があります。改修を重ねたシステムでは、仕様や業務ロジックの把握に時間がかかり、機能追加や他システムとの連携を進める際にも、影響範囲の確認に手間がかかります。
さらに、特定の技術や製品を前提とした運用が続くと、担当者の退職や体制変更によって保守・改修の難易度が高まるケースもあります。こうした状況に加え、クラウドやAIを活用したデータ利用への対応も求められるなか、現行環境を維持するのか、段階的にオープン化するのかを早めに検討する必要性も高まっています。
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メインフレームをオープン化するメリット
メインフレームをオープン化すると、保守や人材面の課題を抑えやすくなるだけでなく、開発やデータ活用の選択肢も広がります。ここでは、環境を移行することで何が変わり、どのようなメリットにつながるのかを解説します。
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システムの維持・運用にかかるコストを削減できる
メインフレームでは、専用のハードウェアなどを前提とした構成となっている場合があります。オープン系サーバーやクラウドへ移行すると、汎用的な製品やサービスを選びやすくなり、利用状況に応じた構成変更も可能です。
こうした選択肢の広がりにより、保守費用や設備更新を含めた維持・運用コストの削減につなげやすくなります。
新しい機能やサービスを開発・改善しやすくなる
メインフレームからオープン系の環境へ移行すると、Javaなど広く使われている開発言語やクラウドサービスを活用しやすくなります。利用できる技術やサービスの選択肢が広がるため、新機能の追加や外部サービスとの連携にも対応しやすくなるでしょう。事業側の要望に合わせて、システムを継続的に改善しやすくなる点もメリットです。
基幹システムのデータをクラウドやAIで活用しやすくなる
メインフレーム内に蓄積されたデータをクラウド側のデータ基盤などへ連携しやすい構成に見直すことで、分析やAI活用へ展開しやすくなります。たとえば、販売や在庫などの基幹データを他部門のデータと組み合わせ、需要予測や業務分析に利用するといった活用です。ただし、データ形式や連携方式の見直しが必要になる場合があります。
開発・保守人材を確保しやすくなり特定ベンダーへの依存を抑えられる
メインフレームでは、特定の製品や技術に詳しい人材へ保守・改修業務が集中するケースがあります。オープン化でJavaやクラウドなど広く使われる技術へ移行すれば、人材や委託先の選択肢を広げやすくなります。
特定の担当者やベンダーだけに頼る体制を見直し、将来の開発や保守を複数の選択肢から検討することも可能です。
メインフレームをオープン化する前に知っておくべきこと
オープン化には多くのメリットがある反面、進め方によってはコストや運用負担が増える場合もあります。移行後に想定外の問題が生じないよう、事前に押さえておきたいポイントを解説します。
全てのシステムをオープン化する必要があるとは限らない
メインフレーム上のシステムでも、安定して稼働しており、今後も大きな改修を予定していない領域まで移行する必要があるとは限りません。全てを対象にすると、費用や作業量が膨らむ可能性があります。
現行環境を維持する部分と移行する部分を分け、業務への影響や将来の改修予定を踏まえて優先順位を決めることが重要です。
移行には初期費用と数年単位の期間がかかる
オープン化では、新しい環境の構築だけでなく、既存資産の調査やデータ移行、テストなどにも費用と期間がかかります。システムの規模や複雑性によっては、計画から完了まで数年単位となるケースもあります。
最初から全体を移すのではなく、対象範囲を整理し、優先度の高い領域から段階的に進めることも検討しましょう。
複数の製品やサービスを管理する運用体制が必要になる
オープン化すると、利用する技術やサービスの選択肢が広がる反面、運用対象も増える可能性があります。クラウドやデータベース、各種ツールを組み合わせる場合、それぞれの監視や更新、障害対応、契約管理が必要です。
移行後に管理が複雑にならないよう、事前に担当範囲や運用ルールを整理し、全体を管理できる体制を整えておくことが重要です。
メインフレームをオープン化するおもな手法

メインフレームのオープン化には複数の手法があり、現行資産の状態や移行目的、許容できる期間・コストによって適した方法は異なります。ここでは、代表的な3つの手法について、仕組みと向いているケースを解説します。
リホスト|既存のプログラムを維持したまま短期間で移行する
リホストは、既存のプログラムや業務ロジックを大きく変更せず、稼働基盤をオープン系サーバーやクラウドへ移す手法です。改修範囲を抑えやすいため、現行機能を維持しながら比較的短期間で移行したい場合に向いています。ただし、既存コードや構造上の課題が残りやすい点に注意が必要です。
リライト|COBOLなどの既存コードをモダン言語へ書き換える
リライトは、現在の機能や業務ロジックを基本的に引き継ぎながら、COBOLなどの既存コードをJavaなどのモダンな言語へ書き換える手法です。既存業務を大きく変えず、保守性や将来の改修のしやすさを高めたい場合に適しています。
書き換え後は、売上計算や在庫更新など既存システムと同じ処理結果になるかを確認する必要があります。
リビルド|業務要件に合わせてシステムをゼロから再構築する
リビルドは、既存システムのコードを引き継ぐのではなく、現在の業務要件に合わせて新しいシステムを設計・開発する手法です。長年の改修で複雑になった構造や不要な機能まで見直したい場合に向いています。
その反面、要件整理から設計、開発、テストまで必要となるため、期間や費用は大きくなりやすい傾向があります。
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メインフレームをオープン化する流れ

メインフレームのオープン化では、移行作業そのものよりも、現状把握や対象範囲の整理、関係部門との調整が重要です。ここでは、企画・推進する担当者が各段階で何を確認し、どう判断していくのかを流れに沿って解説します。
既存のプログラムやデータ、連携先を洗い出す
はじめに、現行システムの全体像を把握することが重要です。担当部門や開発・保守担当者と連携し、利用中のプログラムやデータ、外部システムとの連携状況を整理します。
あわせて、利用頻度や業務上の重要度、担当者しか把握していない仕様なども確認しておくと、移行範囲を判断しやすくなります。
移行対象と優先順位、移行方法を決める
現状を整理した後は、何を移行し、何を残すのかを決めます。判断する際は、業務への影響や改修頻度、保守上の課題、今後の事業計画などを踏まえることが重要です。その上で、対象ごとにリホスト・リライト・リビルドなどの手法を選び、優先順位と大まかな移行計画を固めます。
一部のシステムで性能や互換性を事前に検証する
移行方法が決まったら、すぐに全体へ展開するのではなく、一部のシステムや業務を対象にPoC(概念実証)として事前検証を行います。担当者側では、処理速度などの性能だけでなく、既存業務が問題なく続けられるか、周辺システムとの連携に支障がないかを確認します。ここで見つかった課題を踏まえて、計画や移行方法を調整することが重要です。
業務への影響を確認しながら段階的に移行する
事前検証で大きな問題がないことを確認したら、優先順位に沿って移行を進めます。担当者は、利用部門と切り替え時期や業務への影響を共有し、問題が起きた場合の対応方法も事前に決めておくことが重要です。
一度に全てを切り替えず、範囲を区切って進めることで、影響を確認しながら次の移行へ進められます。
まとめ
メインフレームのオープン化は、既存環境をオープン系サーバーやクラウドなどへ移行し、今後の開発や運用に適したシステム基盤へ見直す取り組みです。リホスト・リライト・リビルドなど複数の手法があり、現行システムの状態や移行目的によって適した方法は異なります。
全てを一度に移行するのではなく、既存プログラムやデータ、連携先を整理した上で対象と優先順位を決め、事前検証を挟みながら段階的に進めることが重要です。
ただし、長年稼働してきた基幹システムでは、仕様や依存関係が把握しきれておらず、「どこから着手するべきか」「既存システムをどこまで残すべきか」と判断に迷うケースもあります。
株式会社Sun Asteriskでは、こうした企業に向けて「Sun*が支援するモダナイゼーション」を公開しています。現状の可視化から刷新方針の考え方、段階移行の進め方、よくある失敗例まで整理されているため、自社のオープン化を具体的に検討する際の参考資料としてご活用ください。
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