
こんにちは。Sun Asterisk クラウド支援サービスチームです。
DXや技術革新が進むなか、人材育成の方法として「リスキリング」と「リカレント教育」が注目されています。両者はどちらもスキルアップを目指す学習の一環ですが、それぞれ目的や学ぶタイミングが異なります。
今回は、リスキリングとリカレント教育の違いをはじめ、それぞれが注目される背景やメリット・デメリット、導入を成功させるためのポイントについてわかりやすく解説します。
- リスキリングとリカレント教育・生涯学習の違い
- リスキリングやリカレント教育が必要とされている背景
- それぞれを導入するメリットとデメリット
- 学習意欲を維持するための環境づくりのポイント
- 活用できる補助金や助成金などの公的な支援制度
リスキリングとリカレント教育・生涯学習の違い

リスキリングとリカレント教育は、どちらも新しい知識やスキルを習得する取り組みですが、それぞれ学ぶ目的やタイミングが異なります。リスキリングは、企業活動の変化に対応するため、従業員が現在または将来の業務に必要なスキルを習得することを指します。
一方、リカレント教育は、学校教育と就労を繰り返しながら個人のスキルアップを目指す考え方です。それぞれの違いを理解し、自社の人材育成方針や目的に応じて適切に活用しましょう。
生涯学習は生涯を通して自由に学び続けることを指します。キャリアアップを目的としているわけではありません。
リスキリングとは?
リスキリングは、業務やデジタル技術の変化に対応するため、新たな知識やスキルを習得取り組みです。従業員が新しい業務や職種に対応できる実践的なスキル習得を目指しており、企業が主体となって研修やeラーニングを提供するケースが一般的です。近年のDX推進やAI、データ分析などの普及を背景に、多くの企業で導入が進んでいます。
リカレント教育とは?
リカレント教育とは、社会人が仕事を続けながら、あるいは一度仕事を離れて大学や専門学校などで学び直してから、学んだ内容をもとに就労する考え方です。スウェーデンで提唱された概念であり、生涯を通して学びと就労を繰り返すことを前提としています。
専門知識の習得・資格取得・キャリアチェンジなどの幅広い目的で活用されており、個人が主体となって学習を進めるケースが多くみられます。
生涯学習との違い
生涯学習は、仕事に直結する内容に限らず、生涯を通して自由に学び続けることを指します。趣味・一般教養・運動・地域活動なども対象となるため、必ずしもキャリアアップを目的としているわけではありません。一方、リスキリングは業務に必要なスキル習得、リカレント教育はキャリア形成や学び直しがおもな目的です。
リスキリングが必要な理由
企業が競争力を維持するためには、リスキリングを通して従業員が継続的に新しいスキルを習得できる環境づくりが重要です。
DX推進
近年のDX推進によって、AI・クラウド・データ分析などのデジタル技術を活用する場面が急速に増えています。それに伴い、従業員が新たな技術やツールを使いこなすスキルを身につける必要性が高まっています。リスキリングによって社内人材のデジタルスキルを高めることで、DX化による業務効率化をスムーズに進められるでしょう。
併せて読みたい:企業のDX・新規事業開発を成功に導くPoC、MVP開発とは?
新しい職種・業務や技術への適応
IT・AIの進化や市場環境の変化によって新しい職種や業務が次々と生まれ、従来の知識やスキルだけでは対応しきれないケースが増えています。そのため、継続的な学び直しの重要性が高まっています。従業員のリスキリングを実施すれば、既存社員を新しい役割や業務へ配置転換しやすくなり、人材不足の解消や採用負担の軽減にもつながるでしょう。
国や企業による支援の拡大
近年は国がリスキリングを重要な政策として位置づけており、補助金や助成金などの支援制度が充実しています。また、多くの企業でも社内研修やオンライン学習サービスの導入が進み、従業員が学びやすい環境を整備する動きが目立っています。こうした支援を活用することで、企業は教育コストを抑えながら人材育成を進めやすくなりました。
リスキリングを行うメリット
リスキリングは、単なる従業員のスキル向上だけでなく、企業全体の競争力強化にもつながります。新しいスキルや知識を習得した従業員が増えることで、業務効率化や生産性向上を実現しやすくなるほか、学んだ内容から新しい発想や新規事業の創出も期待できます。
さらに、社内人材を育成することで、人材不足の解消や採用コストの削減にもつながるでしょう。
<リスキリングによるメリット>
- 従業員のスキル向上
- 新しい発想や新規事業が生まれやすい
- 業務の効率化
- 人材不足の解消
- 採用コストの削減
- 企業文化の醸成・保持
リスキリングを行うデメリット
リスキリングには研修費用や学習時間の確保に一定のコストが発生するほか、成果が現れるまでに時間がかかるケースも少なくありません。また、従業員の学習意欲を維持する仕組みがなければ、途中で挫折してしまう可能性もあります。
さらに、高度なスキルを身につけた人材が転職市場で評価され、離職につながるリスクもあります。そのため、リスキリングを行う際は、対象となる従業員のキャリア支援や評価制度もあわせて整備することが重要です。
<リスキリングによるデメリット>
- 教育コストがかかる
- 教育が長期化しやすい
- 従業員の転職リスクが高まる
- 従業員のモチベーション維持が難しい
リカレントが注目されている背景
近年の働き方や社会環境の変化によって、社会人が継続的に学び直す「リカレント教育」の重要性が高まっています。
雇用人材の流動化や就労期間の長期化
近年はこれまでの主流であった終身雇用が一般的ではなくなり、転職やキャリアチェンジを経験する人が増えています。また、定年延長や再雇用などによって、働く期間が以前より長期化しているのも特徴です。
このような状況下において、若い頃に一度身につけた知識だけでは長い職業人生に対応できないケースが増えており、必要に応じて学び直しを行うリカレント教育への関心が高まっています。
キャリアの再構築や学び直しのニーズ拡大
デジタル化や社会情勢の変化に伴い、新しいスキルを身につけてキャリアを再構築したいと考える人も増えています。大学や専門学校はもちろん、近年はオンライン講座や社会人向けスクールも充実しており、自分に合った方法で学習しやすい環境が整っています。
ライフスタイルの多様化
テレワークや副業の普及、育児や介護との両立など、働き方や暮らし方が多様化しているのも現代の労働環境の特徴です。これによって、社会人1人ひとりのライフスタイルに応じたキャリア形成や学習環境が求められるようになりました。
ライフスタイルに合わせて必要なタイミングで必要なスキルを学び直せることも、リカレント教育が注目される理由の1つです。
リカレント教育を行うメリット
リカレント教育による学び直しを行い、新たな知識や資格を身につけることで、昇進や異業種への転職、職種転換などのキャリアの選択肢が広がるほか、専門性の向上によって収入アップにつながる可能性も高まります。
また、育児や介護などで一度仕事を離れた人でも、最新の知識やスキルを習得することでスムーズに社会へ復帰しやすくなるでしょう。多様な働き方を選択でき、長期的かつ安定したキャリア形成を実現しやすくなる点がリカレント教育の大きなメリットです。
<リカレント教育によるメリット>
- キャリアの選択肢が広がる
- 収入が増加する
- 多様なライフスタイルや働き方に対応できる
- キャリアのブランクから再び働きやすい
リカレント教育を行うデメリット
リカレント教育を受けるにあたって、仕事や家庭と学習を両立しなければならず、時間や体力の確保が負担になるケースは少なくありません。また、家族や職場の理解が得られない場合は、学習を継続することが難しくなる可能性があります。
さらに、学び直しで習得した知識や資格が、勤務先や転職先での評価に十分に反映されないケースも考えられます。学習中や学習後のギャップに悩まされないよう、事前に学習計画や学習目的を明確にすることが重要です。
<リカレント教育によるデメリット>
- 仕事との両立が難しい
- 周囲の理解を得るのが難しい
- 学んだことが評価されにくい場合がある
- 何を学ぶか悩みやすい
リスキリング・リカレント教育を成功させるためのポイント・注意点

リスキリングやリカレント教育を成功させるためには、従業員が継続的に学び続けられる環境づくりが欠かせません。
費用をかけて学習環境を整備する
リスキリングやリカレント教育を定着させるためには、従業員が学びやすい環境を整えることが重要です。たとえばオンライン学習サービスの導入や研修費用・資格取得費用の補助、書籍購入支援制度などを整備することで、学習へのハードルを下げられます。
企業が従業員のスキルアップを後押しする姿勢を示すことで、従業員も安心して取り組めるようになるでしょう。
学習意欲やモチベーションを維持できる仕組みをつくる
リスキリング学習は成果が現れるまでに時間がかかるため、途中で学習意欲が低下してしまうことがあります。従業員のモチベーションを確保するためにも、定期的な面談や進捗確認、資格取得時の表彰・報奨金制度など、継続を後押しする仕組みを整えることをおすすめします。
明確な目標設定やスキルを可視化する
リスキリング学習を業務での成果につなげるためには、何のために学ぶのかという目的を明確にすることが重要です。対象となる従業員の習得すべきスキルや到達目標を具体的に設定し、目標達成度を定期的に振り返ることで、学習内容の見直しや改善を行いましょう。企業と従業員の双方が目標を共有することで、スムーズにリスキリングを進められます。
外部のスクールやサービスを活用する
社内だけで教育体制を整えることが難しい場合は、外部のスクールやオンライン学習サービスを活用するのも1つの方法です。専門講師による実践的な講座や最新技術を学べるカリキュラムを受講すれば、自社では対応が難しい分野でも効率よくスキルを習得できます。
近年はさまざまなスクールやサービスが開講されているため、自社の学習目的やスキル内容に合ったものを選びましょう。
教育訓練給付制度や補助金・助成金制度を活用する
リスキリングやリカレント教育では、国や自治体が実施している教育訓練給付制度や各種助成金を活用できる場合があります。制度を利用することで、企業は研修費用の負担を軽減しながら人材育成を進められ、従業員は未経験でも新しい知識の習得に挑戦しやすくなります。利用を検討する場合は、事前に利用条件や対象講座を確認しましょう。
併せて読みたい:中小企業が新規事業で成功するには?共通点や活用すべき中小企業新事業進出補助金を解説
まとめ
リスキリングとリカレント教育は、どちらも企業の人材育成に欠かせない取り組みです。それぞれ目的や学習の進め方には違いがありますが、どちらも継続的な学習環境の整備が欠かせません。自社の経営課題や人材育成方針に合わせて適切に取り入れ、変化に強い組織づくりを目指しましょう。
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