
こんにちは。Sun Asteriskクラウド支援サービスチームです。
近年、多くの企業でDXが進む中、「モダナイゼーション」や「マイグレーション」という言葉を耳にする機会が増えました。しかし、「両者の違いがよくわからない」「自社にはどちらが適しているのか判断できない」と感じている人も多くいます。
本記事では、モダナイゼーションとマイグレーションの違いをわかりやすく解説するとともに、それぞれのメリットや選び方について紹介します。自社のシステム刷新を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
- モダナイゼーションとマイグレーションの定義と目的の違い
- モダナイゼーションを実施するメリット(DX推進、運用コスト削減など)
- マイグレーションを実施するメリット(生産性向上、セキュリティ強化など)
- システムの重要度や予算規模に応じた適切な手法の選び方
- 自社の環境や目的に合わせたシステム刷新の進め方
モダナイゼーションとは
ここでは、モダナイゼーションの定義や注目される背景を解説します。
モダナイゼーションの定義
モダナイゼーションとは、既存システムを現在のビジネス環境や技術に合わせて刷新・最適化することです。長年利用してきたシステムは、保守コストの増加や技術者不足、新しいサービスとの連携の難しさなど、さまざまな課題を抱えています。モダナイゼーションとは、レガシーシステムを現在の技術やビジネス要件に合わせて刷新し、より運用しやすいシステムへ調整する取り組みです。
モダナイゼーションにはさまざまな技術があり、クラウドネイティブ化やマイクロサービス化、コンテナ技術の導入などが一例です。企業が将来の事業成長やDXに対応できるシステム基盤を整えるための取り組みとして、多くの企業で採用されています。
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モダナイゼーションが注目される背景
モダナイゼーションが注目されている背景には、レガシーシステムを使い続けることで、経済損失につながるリスクの増加や企業が市場環境の変化に素早く対応できる環境構築が求められているためです。
「2025年の崖」問題がありましたが、現在も解消できているとはいえず、中小企業では依然として約6割ほどの企業がレガシーシステムを抱えています。
レガシーシステムではビジネスにAIやクラウドを適応が難しいため、モダナイゼーションに成功した企業との競争力の差は今後さらに広がるでしょう。モダナイゼーションはAIやクラウドなどの技術に適応するためにも必要な取り組みといえます。
※参考:【SmartHR、「2025年の崖」総括とDXに関する実態調査】 崖を「乗り越えられた」企業はわずか7%。 DX推進の鍵は“人事と情シスの連携”、76%が重要性を認識するも「部門の壁」に課題
マイグレーションとは
マイグレーションとは、既存システムの機能や性能は変更せず、ハードウェアやデータ、アプリケーションなどを別の環境へ移行することです。代表的な例として、オンプレミス環境からクラウド環境へ移行する「クラウドマイグレーション」が挙げられます。
マイグレーションは、サーバーの老朽化対策や運用負担の軽減、インフラコストの見直しなどを目的として実施されます。できるだけ短期間で移行を進めたい場合や、既存システムを継続して利用したい場合に適した手法といえます。
モダナイゼーションとマイグレーションの違い

モダナイゼーションとマイグレーションは、どちらも既存システムを見直す取り組みですが、目的や実施内容には違いがあります。マイグレーションが「システムを移すこと」に重点を置くのに対し、モダナイゼーションは「システムを進化させること」に重点を置いている点が大きな違いです。
| 項目 | モダナイゼーション | マイグレーション |
|---|---|---|
| 目的 | システムを最新化・最適化する | システムやデータを新しい環境へ移行する |
| 主な内容 | システム構造の見直し、再設計、クラウドネイティブ化など | サーバーやクラウドへの移行 |
| 既存機能 | 機能や業務要件を見直す場合がある | 基本的に維持する場合が多い |
| 適したケース | DX推進やレガシーシステム刷新 | インフラ更新やクラウド移行 |
既存システムを大きく変更せず、できるだけ短期間でクラウドへ移行したい場合は、マイグレーション、老朽化したシステムを見直したい場合や、DXを推進するためにシステム全体を刷新したい場合は、モダナイゼーションを選択するとよいでしょう。
たとえば、自社サーバーで運用しているシステムをAWSへ移行し、サーバー管理の負担を軽減することが目的であれば、マイグレーションが中心となります。一方、AWSへの移行に合わせてアプリケーションの構成を見直し、運用性や拡張性を高める場合は、モダナイゼーションの考え方が含まれます。
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モダナイゼーションのメリット
ここでは、モダナイゼーションのメリットを見ていきましょう。
DX推進ができる
モダナイゼーションの大きなメリットは、DXを推進しやすくなることです。レガシーシステムを利用し続けていると、新しい技術やサービスとの連携が難しく、業務改善や新規サービスの開発が思うように進まない場合があります。
モダナイゼーションに取り組むと、現在の課題を解決し、社内のデジタル環境が整います。システムの連携やペーパーレス化、業務の属人化の解消などが進み、DX推進ができます。
併せて読みたい:モダナイゼーションとは?DXとの違いや業務システムの刷新手法・手順を徹底解説
業務環境の変化に適応できる
市場環境や働き方は、近年大きく変化しています。たとえば、テレワークへの対応や事業拡大に伴うシステムの増強など、柔軟な運用が求められる場面も少なくありません。モダナイゼーションによって拡張性の高いシステムへ刷新することで、利用者数の増減や新しいサービスの追加にも対応しやすくなります。
将来的な事業の成長を見据えたシステム基盤を構築できる点も、モダナイゼーションのメリットのひとつです。
マイグレーションのメリット
ここでは、マイグレーションの代表的なメリットを4つ解説します。
生産性が向上する
マイグレーションによってシステムを新しい環境へ移行すると、運用や管理にかかる負担を軽減できます。たとえば、オンプレミス環境ではサーバー管理や機器の保守作業が必要ですが、クラウドへ移行すれば、これらの業務をクラウド事業者へ任せられるため、運用の負荷が減ります。
システム管理にかかる工数を削減できるため、担当者はより付加価値の高い業務へ時間を割けるようになるでしょう。
セキュリティ対策ができる
クラウド環境へマイグレーションすることで、セキュリティ対策を強化しやすくなります。多くのクラウドサービスでは、不正アクセス対策やデータ暗号化、脆弱性への対応など、高度なセキュリティ機能が提供されています。
もちろん、自社で適切なアクセス権限の管理などを行う必要はありますが、オンプレミス環境と比べて最新のセキュリティ対策を取り入れやすい点は大きなメリットです。
併せて読みたい:クラウドセキュリティとは?最新リスクと対策、サービス選定基準を解説
担当者の負担軽減につながる
システムをマイグレーションすると、システム運用・保守やメンテナンスなどの業務をスムーズに行えるようになります。
レガシーシステムの環境では、業務を遂行できるエンジニアが不足していたり、業務プロセスのブラックボックス化していたりするため、特定の人材に業務が集中し負担が増加しやすいです。
マイグレーションはレガシーシステムからの脱却やブラックボックス化の解消につながるため、これまで属人化していた業務負担を軽減できます。
スケーラビリティを向上できる
マイグレーションによるシステム移行は、AIやIoTなどの導入がしやすくなり、スケーラビリティを向上できます。加えて、既存システムの構成や蓄積されたデータは変わらないため、従業員への学習コストは抑えられます。
従来の環境では困難だった機能の追加や拡張も、マイグレーション後は柔軟に対応でき、激しい市場変化にも適応しやすくなります。
モダナイゼーションとマイグレーションの選択ポイント

モダナイゼーションとマイグレーションを選択するポイントを解説します。
システムの重要度
モダナイゼーションとマイグレーションのどちらを選ぶかは、システムの重要度も判断基準のひとつです。たとえば会計システムや人事給与システムなどの基幹システムは、万が一停止すると業務へ大きな影響を及ぼす可能性があるため、入念な検証を行いながら段階的に進められるモダナイゼーションが適しています。
一方、グループウェアや文書管理システムなどの情報系システムは、基幹システムと比べて業務への影響が小さいケースもあります。クラウド環境へ移行するマイグレーションを選択することで、短期間でシステムを刷新しやすくなります。
予算規模
モダナイゼーションとマイグレーションを検討する際は、予算規模も重要です。一般的に、モダナイゼーションはシステムの再設計や機能の見直しを行うため、開発費や検証費などを含めて比較的大きな予算が必要になります。一方、マイグレーションは既存システムを生かして移行するケースが多く、モダナイゼーションに比べて初期費用を抑えやすいです。
予算に限りがある場合は、まずマイグレーションによってクラウド環境へ移行し、その後、必要に応じて段階的にモダナイゼーションを進める方法も有効です。
併せて読みたい:システム開発の見積もり方法|費用相場・算出方法・見積書のチェックポイント
業種
業種によっても適した方法が異なります。たとえば製造業では、生産管理システムや在庫管理システムなど、基幹システムを安定して運用しなければいけないため、段階的にモダナイゼーションを進めながら、信頼性の高いクラウドやデータセンターを活用する方法が適しています。
また、小売業の場合、ECサイトと実店舗を連携させるオムニチャネル対応が求められているため、クラウドへのマイグレーションで柔軟な運用環境を整えつつ、基幹システムは段階的にモダナイゼーションを進める方法が効果的です。
変更の目的
システムを見直す目的を明確にしてから移行方法を選びましょう。クラウド環境へ移行し、運用負担の軽減やシステムの柔軟性向上を目指す場合は、マイグレーションが適しています。必要に応じてリソースを増減できるため、アクセス数の変動が大きいサービスや、新規プロジェクトにも対応しやすくなります。
一方、業務効率化やDX推進、新たなサービスの提供を目的とする場合は、モダナイゼーションが効果的です。システムだけでなく業務プロセスも見直すことで、変化に強く、将来の事業拡大にも対応しやすい環境を構築できます。
まとめ
モダナイゼーションとマイグレーションは、どちらも既存システムを見直す取り組みですが、目的や実施内容は異なります。自社に適した手法を選ぶためには、現在のシステムが抱える課題や、将来的に実現したいことを明確にすることが重要です。
しかし、実際には「どのような移行方法が自社に合っているのか」「AWSを活用することでどのような効果が期待できるのか」と悩む企業も少なくありません。
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よくある質問
Q モダナイゼーションとマイグレーションの違いは何ですか?
Q 自社に適したシステム刷新の手法を選ぶ際、まず何から始めるべきですか?
Q 予算が限られている場合はどのような手順でシステム刷新を進めるのがよいですか?
Q システムをクラウド環境へ移行する際にセキュリティ面で注意すべき点はありますか?
Q モダナイゼーションの実施にはどれくらいの費用や期間がかかりますか?
Q AWSを活用したシステムの移行や運用について外部の支援を受けることは可能ですか?
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