
こんにちは。Sun Asterisk クラウド支援サービスチームです。
老朽化した基幹システムの刷新は、多くの企業が直面する経営課題です。維持か刷新かの判断や、自社に最適な移行手法のマッピングに悩む人も少なくありません。本記事では、クラウド移行の標準的な枠組みである「モダナイゼーション7R」の定義や各手法の選択基準を解説します。自社の基幹システムの刷新に悩んでいる人に役立つ内容のため、最後までご覧ください。
- クラウド移行の標準枠組みである「モダナイゼーション7R」の定義
- システムの老朽化が引き起こす経営リスクと刷新の必要性
- リホストやリファクタリングなど、7つの移行手法の特徴と選び方
- システム移行で企業が陥りがちな4つの失敗例とその回避策
- コストとリスクを抑えてモダナイゼーションを成功させる実践的なポイント
モダナイゼーション7Rとは?
モダナイゼーションを成功に導くための「7R」の概要と重要性について解説します。
クラウド移行の標準的な枠組み
7Rとは、システム移行およびモダナイゼーションの戦略を7つのアプローチに分類したフレームワークです。大規模で複雑な既存システムをクラウド環境へ移行する際、どの手法が最適かを体系的に整理するために用いられます。技術的な視点だけでなく、経営的な投資判断の基準としても活用されています。
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システム刷新の選択肢を整理
従来の移行は「一斉に作り直す」か「そのまま移す」かの二者択一に陥りがちでした。7Rを用いれば、システムの重要度やコスト、期間、規模などに応じて、複数の手法を組み合せて取り組めます。リスクを抑えつつ経営層と開発現場が同じ目線でプロジェクトの方向性を確認しながら進行できます。
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モダナイゼーション7Rが求められる背景
昨今、さまざまな企業でモダナイゼーションが注目されています。この見出しでは、7Rによるシステム刷新が必要とされている背景についてまとめました。
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レガシーなシステムがDXを阻害している
長年運用されてきた基幹システムは、度重なる改修によってブラックボックス化し、システムの仕様がわからないまま刷新できない状態が続いています。このレガシーな状態では、変化の激しい市場に対応するための機能追加や、データ活用が困難です。企業のDXや新規事業の創出を阻んでおり、競争力を維持するための仕組みの根本的な見直しが求められています。
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維持コストがIT投資を圧迫している
多くの企業において、IT予算の大部分が既存システムの運用保守や現状維持の費用に費やされています。高騰する維持コストは技術的負債となり、企業の将来を担う戦略的なIT投資やイノベーションへの資金配分を圧迫しているのが実情です。モダナイゼーションによる総所有コストの最適化は、経営効率を高める上で避けて通れません。
老朽化により経営リスクが拡大している
システムの老朽化を放置すると、重大な経営リスクにつながります。古いOSやハードウェアのサポート終了に伴うセキュリティ脆弱性の高まりに加え、開発ベンダーの技術者不足による属人化は、システム障害を引き起こす原因です。トラブルが発生した際の事業停止リスクや信頼失墜のインパクトは計り知れず、早期の移行計画策定が必要です。
環境を変える3つのR

ここでは、モダナイゼーション7Rのうち、動作する環境を変える3つの手法について解説します。
リホストで素早くクラウド化
リホスト(Rehost)は、既存のアプリケーションやデータの設計を変更せず、そのままクラウド環境へ移設する手法です。移行に伴うリスクや手戻りを最小限に抑えながら、短期間でデータセンターの維持コストを削減できます。迅速にクラウド化を果たし、段階的な最適化を目指すアーキテクチャ戦略において有効なステップとなります。
リプラットフォームで最適化
リプラットフォーム(Replatform)は、基本アーキテクチャを大きく変えず、OSやデータベースなどの基盤部分をクラウド環境に合わせて最適化する手法です。移行と同時に最新のマネージドサービスへ切り替えることで、開発や運用の負荷を低減します。移行スピードを維持しながら、クラウドの恩恵を享受できるアプローチです。
リロケートで基盤ごと移動
リロケート(Relocate)は、利用している仮想化プラットフォームの構成を維持したまま、クラウド上の同等な環境へ移設する手法です。おもにVMwareなどの環境を利用している企業に適しており、アプリケーションの変更はもちろん、インフラの設定変更もほとんど必要ありません。
仕組みを刷新する2つのR
次に、システムの構造や提供価値そのものを大きく刷新する2つの手法についてまとめます。
リパーチェスでSaaS導入
リパーチェス(Repurchase)は、市場で提供されている標準的なSaaSや商用パッケージ製品へ乗り換える手法です。自社でのインフラ保守や独自のコード管理の負担が軽減されるため、運用負荷と固定費を削減できます。業務プロセスを一般的な標準仕様に合わせれば、コアビジネスへの経営資源の集中化が可能です。
リファクタリングで構造改革
リファクタリング(Refactor)は、クラウドの特性を最大限に生かすため、アプリケーションのソースコードや設計を根本から再構築する手法です。開発の難易度や初期投資は高くなりますが、変化に対する柔軟性と俊敏性を確保できます。他社との差別化が必要な主要システムや、素早い立ち上げが求められる新規事業に最適です。
現状維持と廃止の2つのR
現状維持と廃止を意味する2つのRについて詳しく解説します。
リテインで投資時期を見極め
リテイン(Retain)は、現時点でクラウド移行のメリットが薄い、または減価償却が終わっていないシステムを現状維持とする手法です。無理に全てのシステムを刷新しようとせず、あえて残すことで投資の優先順位を明確にします。移行のタイミングを見極めるための戦略であり、限られた経営資源を有効活用するために必要な手法です。
リタイアで不要なシステムを廃棄
リタイア(Retire)は、業務プロセスの変更や統合によって、利用頻度が低くなった不要なシステムを廃棄する手法です。長年の運用で肥大化したシステム群のなかには、実態として機能していないものが埋もれています。これらを洗い出して廃止することで、無駄な維持費や管理工数を削減でき、投資効率を高められます。
陥りがちな移行の失敗例
モダナイゼーションを進める上で、多くの企業が直面しやすい4つの失敗例を解説します。事前に失敗例を把握することで、スムーズなモダナイゼーションを実現しましょう。
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コストの安さだけで選ぶ
移行費用を抑えたいがあまり、リホストなどの手軽な手法だけで全社システムを移行しようとすると失敗に陥ります。単に環境を移しただけでは、クラウド特有の柔軟性やデータ活用の恩恵を受けられず、移行後にかえって運用コストが高騰するケースも少なくありません。移行後に得られるビジネス価値や中長期的な運用効率を見据えた選定が必要です。
業務要件の検討を後回しにする
インフラのクラウド化という技術的な側面にばかり気を取られ、現場の業務プロセスや将来の事業要件の検討を後回しにするとプロジェクトは頓挫します。システム刷新の本質はビジネスの変革です。現場の使い勝手や新事業の展開スケジュールと整合性が取れていなければ、どれほど高度な技術を導入しても活用されません。
単一の手法に固執する
保有するシステムの全てを、ひとつの手法で移行しようとすることも危険な失敗例です。システムの重要度や性質はそれぞれ異なるため、一律の基準で進めると予算や期間が膨れ上がりかねません。全体のバランスを見失い、結果としてプロジェクト自体が長期化・凍結する原因となるため注意が必要です。
自動変換ツールを過信する
古いプログラミング言語を最新の言語へ自動変換するツールは便利ですが、過度な期待を寄せるのは禁物です。自動変換されたコードの多くは、そのままでは最適に動作せず、膨大な手修正や検証テストの手間が発生します。変換後の品質担保や修正工程に必要な期間・リソースをはじめから計画に組み込んでおかなければなりません。
モダナイゼーションを実現するための4つのポイント

自社に最適なモダナイゼーションを実現するために押さえるべき4つのポイントを解説します。
IT資産の棚卸しと現状分析を行う
自社で保有しているシステムを全て洗い出し、現状を正しく把握することから始めます。その際、各システムが会社の売上や業務にどれだけ貢献しているかという「ビジネス価値」と、老朽化や維持運用にどれだけ余計な手間やコストがかかっているかという「技術的負債」の2つの視点で評価しましょう。この2つを客観的なデータとして可視化することで、どのシステムを残し、どのシステムを新しくすべきかの判断を下せるようになります。
システムの機能ごとに7Rの手法を使い分ける
次に、システムごとの特性に合わせていくつかの手法を組み合わせることです。企業全体のシステムをたったひとつの方法で一度に刷新しようとするのは現実的ではありません。システムを機能ごとに細かく分け、適材適所で「7R」の手法を使い分けましょう。
たとえば、自社の強みとなるコアシステムは手間をかけて再構築し、定型的な業務システムは短期間で移行できるクラウド環境へ乗り換え、優先度の低いものはそのまま移行するか現状維持に留めるといった形です。このようにシステムごとに手法を切り分けることで、コストとリスクを抑えながらモダナイゼーションを実現できます。
中長期的なROI(投資対効果)を算出する
中長期的な費用対効果(ROI)に基づいて投資判断を行うことです。システム刷新には初期費用がかかるため、単年度の予算だけを見るとどうしても割高に感じられてしまいます。
そのため、5年から10年といった中長期的な視点を持ち、将来的に削減できる運用費や人件費をしっかり見積もることが重要です。加えて、システムが新しくなることで従来よりも早く業務を進められるため、新規事業の策定や売上向上などの効果も見越しておきましょう。
部門をまたいで協力して進める
システムのモダナイゼーションはシステム部門だけで完結する作業ではなく、企業全体を巻き込む経営課題といえます。システム部門だけに任せ切りにしてしまうと、現場の業務に合わないシステムができあがったり、プロジェクトが途中で頓挫したりする原因になります。
これを防ぐためには、経営陣が強い意志を持って主導し、システム部門と実際にシステムを使う事業部門が一体となって進める必要があります。部門の垣根を越えて意思決定ができる体制が、プロジェクトを最後までやり遂げるためにも重要です。
まとめ
モダナイゼーションの支援パートナーは、単にシステムをクラウドへ移行するだけでなく、企業の経営課題をIT技術で共に解決する重要な存在です。既存システムの老朽化対応や将来の事業成長を見据えた「7R」の戦略選定を成功させるには、自社の複雑なシステム構造や経営目標に寄り添えるパートナーの選定が欠かせません。
株式会社Sun Asteriskでは、DXコンサルティングから設計・開発まで一気通貫で支援し、事業に合わせたモダナイゼーションをサポートしています。柔軟な開発リソースと広範なケイパビリティを生かした支援実績や導入効果をまとめた資料「Sun*が支援するモダナイゼーション」をご用意していますので、ぜひご活用ください。
よくある質問
Q モダナイゼーション7Rとはどのようなものですか?
Q モダナイゼーションを進める際、まず何から着手すべきですか?
Q モダナイゼーションを進める中で陥りやすい失敗例や注意点は何ですか?
Q モダナイゼーションはどのようなプロセスやステップで進められますか?
Q モダナイゼーションの実施にはどれくらいの費用や期間がかかりますか?
Q モダナイゼーションの計画や実行において外部の専門会社からどのようなサポートを受けられますか?
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