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基幹システムのマイグレーションとは?成功させるための進め方や手順を解説

更新日: 2026年8月27日

こんにちは。Sun Asterisk クラウド支援サービスチームです。

長年使い続けてきた基幹システムについて、老朽化への対応やマイグレーションの進め方に悩んでいる担当者は少なくありません。膨大なデータや複雑な業務ロジックを抱える基幹システムでは、移行方法を誤ると業務停止や情報の欠損につながるおそれがあります。

本記事では、基幹システムのマイグレーションにおける基本的な考え方から、リホスト・リプラットフォーム・リファクタリングの使い分け、現状分析から本番切り替えまでの手順、成功させるためのポイントまで解説します。自社に合った移行方法を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

✔この記事で分かること/解決できること
  • 基幹システムのマイグレーションの概要とリプレイスとの違い
  • 老朽化したシステムが抱える「2025年の崖」などの課題と背景
  • リホスト・リプラットフォーム・リファクタリングの特徴と選び方
  • 現状分析から本番切り替えに至るまでの具体的な推進手順
  • マイグレーションを成功させるための体制づくりと費用・期間の目安
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基幹システムのマイグレーションとは?

基幹システムのマイグレーションとは、既存の基幹システムが持つデータや機能を、新しいシステム環境へ移行する取り組みです。老朽化したハードウェアやソフトウェアの限界を解消し、安定した業務運用を続けるために欠かせない対応となります。以下では概要やリプレイスとの違い、基幹システムのレガシー化の課題について解説します。

併せて読みたい:基幹システムのモダナイゼーションとは?レガシーシステム脱却の手法と進め方

マイグレーションの概要

マイグレーションは、既存の資産をできる限り活用しながら新しい環境へ移す手法です。移行の分類にはRetainやRetire、Repurchaseなどを含む考え方もありますが、既存システムを生かしながら新しい環境へ移行する際によく検討されるのが、リホスト・リプラットフォーム・リファクタリングの3手法です。

  • リホスト:既存のプログラムをほぼそのまま新環境へ移す方法
  • リプラットフォーム:一部の仕様を変更しつつ新しい基盤へ移す方法
  • リファクタリング:プログラム構造を見直し、機能を維持したまま作り替える方法

企業の資産状況や予算、スケジュールに応じて手法を選ぶ必要があります。マイグレーションは既存資産を生かせる分、ゼロから作り直すよりコストを抑えられる点が特徴です。

リプレイスとの違い

リプレイスは、既存システムを廃止し、まったく新しいシステムに置き換える手法です。一方でマイグレーションは、既存の資産やデータを引き継ぐ点が大きく異なります。

リプレイスは自由度が高い反面、開発期間や費用がかさみやすくなります。業務ロジックが複雑な基幹システムでは、資産を継承できるマイグレーションが選ばれる場面が多く見られます。目的や予算に応じて両者を比較検討することが重要です。

併せて読みたい:基幹システムのリプレイスとは?進め方と失敗を防ぐためのポイントを解説

基幹システムにおけるレガシー化の課題

基幹システムにおけるレガシー化の3大課題

基幹システムは長期間にわたり運用されることが多く、以下のような課題を抱えやすくなります。

  • 開発言語や技術に精通した人材が減少している
  • システムの構造が複雑化し、改修に時間がかかる
  • 保守部品の供給が終了し、ハードウェアの調達が難しい

このような状態が続くと、障害発生時の対応が遅れ、事業継続に影響が及ぶ可能性があります。早期にマイグレーションの計画を立てることが望まれます。

併せて読みたい:レガシーシステムとは?問題点と脱却の進め方を実務目線で解説

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基幹システムのマイグレーションが必要とされる背景

マイグレーションが求められる背景には、国内の産業構造や既存システムの老朽化が関係しています。ここでは「2025年の崖」とコスト面の課題を取り上げて解説します。

「2025年の崖」の克服とDX推進の重要性

「2025年の崖」とは、老朽化した既存システムを放置することで生じる経済的な損失や機会損失を指す言葉で、経済産業省が2018年に公表したDXレポートで提示された概念です。

その後、2022年7月公表の「DXレポート2.2」では、DX推進指標の自己診断結果を提出した企業のうち、成熟度レベル3以上の先行企業が占める割合が、2019年の4%から2021年には18%まで伸びていることが示されました。

一方で、デジタル投資の内訳を見ると、既存ビジネスの維持・運営に投資全体の約8割が充てられている状況が続いており、新たな価値創出に向けた投資は限られています。基幹システムのマイグレーションは、既存システムの維持に偏りがちな投資を見直し、収益向上につながる領域へ経営資源を振り向ける足がかりになります。

※参考:経済産業省「DXレポート2.2」

維持保守コストの増大とインフラの老朽化への対応

IPAが2025年に公表した「DX動向2025」の調査では、データ利活用を進める上での課題として、日本企業の22.6%が「既存システムがデータの利活用に対応できない」と回答しています。同じ調査では、人材の確保が難しいと回答した企業も58.2%に上り、既存システムを支える人材の不足と、老朽化したシステムの維持管理が同時に課題となっている実態がうかがえます。

老朽化したインフラを使い続けると、データ活用や新しい技術の導入が進めにくくなり、事業成長の妨げになる可能性があります。マイグレーションにより最新の基盤へ移行すれば、データの利活用を進めやすい環境を整えられます。

※参考:IPA「DX動向2025(データ関連データ抜粋)」

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リホスト・リプラットフォーム・リファクタリングの使い分け方

3つの手法にはそれぞれ特徴があり、自社の状況に合わせた選定が重要です。以下の表におもな違いをまとめます。

手法 おもな特徴 向いているケース
リホスト 既存プログラムをほぼそのまま移行 短期間かつ低コストで移行したい場合
リプラットフォーム OSやミドルウェアなど基盤を変更 クラウド化など基盤刷新を伴う場合
リファクタリング プログラム構造自体を見直す 老朽化した独自仕様を解消したい場合

短期間での移行を優先する場合は、リホストが選ばれやすくなります。将来的な拡張性を重視する場合は、リファクタリングを含めた検討が必要です。自社の予算やスケジュール、業務ロジックの複雑さを踏まえ、複数の手法を組み合わせて計画を立てる企業も見られます。

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現状の分析から本番切り替えまでの策定・手順

マイグレーションを成功に導く6つの推進手順

マイグレーションを進める際は、段階を踏んだ計画が欠かせません。一般的な流れは、次のとおりです。

  1. 現状分析:既存システムの機能やデータ量、業務フローを棚卸しする
  2. 移行方針の策定:リホスト・リプラットフォーム・リファクタリングの中から手法を選定する
  3. 設計:新環境の構成やデータ移行の仕様を定める
  4. 開発・移行作業:新環境の構築とデータの移行を実施する
  5. テスト:機能や性能、データの整合性を検証する
  6. 本番切り替え:稼働環境を新システムへ切り替える

各段階で発生した課題は、次の工程に持ち越さず解消しなければなりません。特に現状分析が不十分だと、後工程で仕様変更が発生し、期間やコストが膨らむ要因になります。

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マイグレーションを成功させるためのポイント

基幹システムの移行には多くの関係者が関わるため、体制づくりとデータ移行の精度が成否を分けます。ここでは2つの観点を解説します。

併せて読みたい:システム刷新の目的とは?経営層に説明するポイントと進め方を解説

プロジェクト体制の構築と現場部門の巻き込み

マイグレーションは、情報システム部門だけで完結させることが難しい取り組みといえます。実際に業務を担う現場部門を早い段階から巻き込み、業務フローの変化点を共有することが重要です。経営層、システム部門、現場部門の三者が役割を分担し、定期的に進捗を確認し合うことで、認識のずれを防ぎやすくなります。責任者を明確にし、意思決定のスピードを保つことも欠かせません。

データ移行の精度向上と徹底したリハーサルの実施

基幹システムには長年蓄積された膨大なデータが存在し、移行時の欠損や不整合は業務に直接影響します。移行前にデータの形式や重複を確認し、変換ルールを明確にしておく必要があります。本番切り替え前には、実際の環境に近い条件でリハーサルを複数回実施し、想定外の不具合を洗い出す必要があります。リハーサルの結果を踏まえて手順書を見直すことで、本番切り替え時のトラブルを減らせます。

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マイグレーションにかかる費用・期間の目安

費用や期間は、システムの規模や選定する手法によって大きく変動します。おおまかな目安は、次のとおりです。

手法 おもな特徴 向いているケース 期間の目安 費用の傾向
リホスト 既存プログラムをほぼそのまま移行 短期間かつ低コストで移行したい場合 数か月から半年程度 比較的低コスト
リプラットフォーム OSやミドルウェアなど基盤を変更 クラウド化など基盤刷新を伴う場合 半年から1年程度 中程度のコスト
リファクタリング プログラム構造自体を見直す 老朽化した独自仕様を解消したい場合 1年以上 高コストになりやすい

上記はあくまで一般的な傾向であり、対象システムの規模やデータ量、既存資産の状態によって前後します。正確な見積もりを得るためには、現状分析の段階で専門家に相談し、自社の状況に合った試算を行う必要があります。

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まとめ

基幹システムのマイグレーションは、老朽化したシステムの課題を解消し、DX推進の土台を築く取り組みです。リホスト・リプラットフォーム・リファクタリングの特徴を理解した上で、自社の資産状況に合った手法を選ぶことが求められます。現状分析から本番切り替えまでの手順を丁寧に進めつつ、プロジェクト体制の構築に取り組むことで、移行の成功率を高められます。

株式会社Sun Asteriskでは、基幹システムの改善に取り組む企業に向けて、課題の整理から改善の進め方までを体系的にまとめた資料「システム改善の考え方とアプローチ」を公開しています。業務プロセス・UI/UX・システム構造という3つの切り口から、現場の実態に即した改善の考え方を解説しています。マイグレーションの手法や進め方を検討する際の判断材料として、ぜひご活用ください。

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よくある質問

Q 基幹システムのマイグレーションとは何ですか?リプレイスとの違いについても教えてください。
A 基幹システムのマイグレーションとは、既存システムが持つデータや機能を新しいシステム環境へ移行する取り組みです。既存の資産やデータを引き継ぐ点が、システムを全く新しいものに置き換えるリプレイスとは異なります。

Q 基幹システムのマイグレーションを検討する際、まず何から着手すべきですか?
A まずは既存システムの機能やデータ量、業務フローの棚卸しを行う「現状分析」から着手します。現状分析が不十分であると、後の工程で仕様変更が発生し、期間やコストが膨らむ要因になります。

Q 基幹システムのマイグレーションはどのような手順で進められますか?
A 一般的な流れとして、現状分析から始まり、移行方針の策定、設計、新環境構築とデータ移行を実施する開発・移行作業、テストを経て、本番切り替えという手順で段階的に進められます。

Q マイグレーションでデータの移行や本番切り替えを成功させるための注意点は何ですか?
A 移行前にデータ形式や重複を確認し変換ルールを明確にすること、および本番切り替え前には実際の環境に近い条件でリハーサルを複数回実施し、想定外の不具合を洗い出すことが重要です。

Q マイグレーションの実施にかかる費用や期間の目安はどのくらいですか?
A 期間や費用の傾向は移行手法により異なり、リホストは数か月から半年程度で比較的低コストですが、リファクタリングは1年以上で高コストになりやすいです。自社の正確な試算についてはぜひSun Asteriskへご相談ください。

Q マイグレーションを成功させるために、どのような体制を構築して取り組めばよいですか?
A 情報システム部門だけで進めるのではなく、実際に業務を担う現場部門を早い段階から巻き込み、経営層、システム部門、現場部門の三者が役割を分担して進捗や認識のずれを確認し合う体制づくりが重要です。

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