
こんにちは。Sun Asterisk クラウド支援サービスチームです。
人材不足や業務の高度化が進むなか、従業員のスキルアップは重要な要素です。本記事では、リスキリングの基本的な考え方から、人材育成施策として導入すべき理由、現場に定着させるための具体的なポイントを解説します。
- リスキリングの基礎知識とリカレント教育・アンラーニングとの違い
- DX推進や採用難を背景にリスキリングが注目されている理由
- 企業がリスキリングを取り入れる4つの具体的なメリット
- リスキリングを効果的に進めるための5段階の導入ステップ
- 現場への定着を促し失敗を防ぐための3つの注意点
リスキリングとは?
まずは、リスキリングとは何を意味し、従来の人材育成とどう違うのか、その基本的な概念やリカレント教育・アンラーニングとの違いを解説します。
リスキリング(Reskilling)の基礎知識
リスキリングは、既存の従業員が今後求められる業務に対応できるよう、新しい知識やスキルを計画的に習得する取り組みです。特に、デジタル技術の進化にともない、データ活用やシステム関連の知識を身につけるケースが多くみられます。
企業が主体となり、事業戦略に沿って学習内容を設計する点が大きな特徴といえます。
リカレント教育・アンラーニングとの違い

リカレント教育とは、働くことと学び直しを繰り返しながらキャリアを築いていく考え方で、個人が主体となって取り組む点が特徴です。一方、アンラーニングは、これまでの価値観や成功体験をいったん手放し、新しい考え方を受け入れる姿勢を指します。
これに対してリスキリングは、企業が主導して従業員に新たなスキルを習得させる取り組みです。特に、事業の成長や変化に対応するために必要なスキルを身につけることを目的としている点が、大きな違いといえます。
リスキリングが注目されている理由
リスキリングが注目される背景には、社会や技術の変化に加え、企業経営を取り巻く環境の変化があります。ここでは、代表的な3つの理由を解説します。
DX推進とテクノロジー(生成AIなど)の進化
多くの企業がDXを重要な経営課題として掲げるなか、生成AIをはじめとするテクノロジーの進化により、業務の進め方は大きく変わりつつあります。従来のやり方のままでは対応が難しくなり、新しいツールや技術を使いこなす力が求められるようになりました。
特に、データ分析や業務の自動化といった領域は、業種を問わず日常業務に広がっています。こうした変化に対応できるかどうかが、企業の競争力を左右する重要なポイントです。
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「デジタル人材・新規事業人材」の採用難
デジタル分野に強い人材はどの企業でも求められており、採用のハードルは年々高まっています。外部採用だけで人材を確保しようとすると、時間もコストもかかります。その結果、既存の従業員を育成し、デジタル領域で活躍できる人材へとシフトしていく「リスキリング」に注目が集まっています。
「人的資本経営」へのシフトと社員の定着
従業員をコストではなく資本として捉える人的資本経営の考え方が広がるなか、学びの機会を提供することは、企業価値を高める取り組みとして位置づけられるようになりました。あわせて、成長機会の提供は従業員の定着にもつながり、離職防止の観点からも重視されています。
企業がリスキリングを取り入れる4つのメリット
ここからは、企業がリスキリングで得られる4つのメリットを解説します。
1. 新規事業の創出およびプロダクト開発の促進
従業員が新たなスキルを獲得することは、社内にこれまでにない発想をもたらす大きな契機になり得ます。リスキリングの強みは、既存事業で培った深い顧客理解や業界知識に、最先端のデジタルスキルを掛け合わせられる点です。
外部人材だけでは創出が難しかった自社ならではの視点が加わることで、他社と差別化された新規事業の立ち上げやプロダクト開発につながる可能性があります。
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2. 業務プロセスの効率化とシステムの刷新
デジタル技術に精通した人材が社内に増えれば、既存の業務プロセスを現場主導で見直す土台が整っていきます。老朽化したレガシーシステムの刷新をはじめ、データを活用した業務改善など、外部ベンダーに依存しない主体的な組織変革(DX)を迅速に実行できます。
これにより業務全体の生産性が向上し、変化に柔軟に対応できる組織づくりにもつながります。
3. 採用コストの削減と人材定着率の向上
外部からの即戦力採用には、多くの費用と時間がかかります。その点、リスキリングを通じた社内育成を軸に据えられれば、採用コストの抑制につながる可能性があります。
さらに、会社側が成長機会を提供し続ける姿勢は従業員のエンゲージメント向上に寄与する場合があるため、結果として離職を防ぎ、定着率を高める効果も期待できます。
4. 組織風土とドメイン知識の継承
社外から人材を採用する場合、これまで培われてきた組織風土や業務にまつわるドメイン知識の継承が課題になりやすいものです。リスキリングであれば、既存の従業員が新しいスキルを習得するため、組織文化やドメイン知識を維持しながら変革を進めやすくなります。
リスキリングを成功させる5段階の導入ステップ

リスキリングを効果的に進めるには、段階を踏んだ計画的な取り組みが欠かせません。ここでは、5つのステップにわけて解説します。
ステップ1. 事業戦略に基づく「必要スキル」の定義
まずは、自社の事業戦略や中長期的な経営目標をもとに、将来どのようなスキルが必要になるのかを明確にしましょう。必要なスキルや育成の目的が曖昧なまま研修を始めると、受講自体が目的になり、期待した成果につながりにくくなります。
そこで、DX推進や新規事業の立ち上げなど、経営課題の解決に必要なスキルを具体的に洗い出します。事業の方向性と必要なスキルを結び付けて考えることが、効果的な人材育成の土台です。
ステップ2. 現状のスキル可視化とギャップ分析
必要なスキルを定義したら、現状の従業員が保有するスキルを可視化し、目標とのギャップを分析しましょう。スキルマップの作成や社内アセスメントツールを活用すると、どの部署や従業員にどのようなスキルが不足しているかが把握しやすくなります。
さらに、現状と目標のズレを明確にすれば、人材育成の優先順位を決めたり、個別の学習プランを作成したりしやすくなります。また、従業員自身も現在の立ち位置や不足する能力を認識できるため、リスキリングに対する当事者意識や学習意欲を高めるきっかけにもなるでしょう。
ステップ3. 教育カリキュラム・研修環境の選定
ギャップ分析で明らかになった不足スキルを補うには、従業員の状況や学習内容に合った教育方法を選ぶことが重要です。eラーニングや社内学習会、外部研修などを組み合わせ、必要なスキルを効率的に学べる環境を整えましょう。
また、日々の業務への負担を考慮し、スキマ時間に学べるコンテンツや、オンラインで自分のペースで進められる教材もおすすめです。知識を身につけるだけでなく、演習や実務を通じて学んだ内容を試せる機会を設け、実践的なスキル習得につなげましょう。
ステップ4. 学習時間の確保と評価制度の見直し
リスキリングを継続するには、業務時間内に学習できる環境を整えることが重要です。管理職が中心となって業務量を調整し、従業員が周囲に気兼ねなく学べる体制を整えましょう。
あわせて、新たに身につけたスキルや学習への取り組みを適切に評価できるよう、人事評価制度も見直します。習得したスキルが実務で生かされた場合や、主体的に学習へ取り組んだ姿勢が給与やキャリアに反映されれば、学習へのモチベーションを維持しやすくなります。
ステップ5. 実務およびプロジェクトへの適用
リスキリングで習得した知識や技術は、実際の業務や新規プロジェクトで活用して初めて、企業としての成果や価値に結びつきます。そのため、研修終了後に放置せず、学んだ内容をすぐに試せる実務機会を設けたり、習得したスキルを生かせる部署へ配属したりしましょう。
特に、現場での実務を通じて継続的なフィードバックを行いつつ、改善を重ねられる環境づくりをすると、知識を実務で役立つスキルへ昇華しやすくなります。学んで終わらせない「アウトプット重視」の環境づくりとフォローが、リスキリング施策の成功を支えるポイントです。
リスキリング導入時に気をつけたいポイント
リスキリングをスムーズに定着させるには、押さえておきたい注意点があります。最後に、失敗を防ぐための重要なポイントを3つ解説します。
「なぜやるのか」をしっかり伝える
リスキリングの目的が従業員に伝わっていない場合、単なる「会社からの強制的な学習会」と捉えられ、形式的な取り組みで終わってしまいかねません。「5年後の新規事業立ち上げに不可欠な知見である」といった事業戦略との結びつきや、「市場価値が高まり個人のキャリア形成に有利に働く」という従業員側のメリットまで踏み込んで、経営陣から丁寧に語りかける姿勢が求められます。
学んだスキルを生かせる「受け皿」を用意する
せっかく新しい技術を身につけても、それを発揮できる実務やポジションが皆無では学習意欲も立ち消えてしまいます。そのため、身につけたデータ分析手法を既存業務の改善へ即座に活用したり、社内副業制度や新規プロジェクトへの抜擢といったチャレンジの場をあらかじめ設計しておく配慮も必要です。
助成金・公的支援を賢く使う
リスキリングの実施にあたっては、受講費用や研修中の賃金支払いなど一定のコストが発生します。国や自治体の制度を活用し、資金面のハードルを下げる工夫が必要です。
たとえば、厚生労働省が支給する「人材開発支援助成金」のうち、新たな事業展開やDX化に伴う知識・技術の習得を支援する「事業展開等リスキリング支援コース」などがあります。(2026年8月時点)自治体ごとに支援策が異なるため、事前に洗い出し、スケジュールに余裕を持って申請手続きを進めておくと安心できます。
なお、コースの助成率・要件は変更される可能性があるため、厚生労働省の最新ページでの確認をおすすめします。
まとめ
リスキリングは、自社の課題抽出に基づく明確な目的設定をはじめ、無理なく継続できる学習環境の整備、そして成果を実務で生かせる受け皿の設計まで、全社を巻き込んだ体制づくりが重要です。
リスキリングやリカレント教育を通じて社内人材のデジタルスキルが高まれば、外部委託に頼るだけでなく、アプリ開発やDX推進を自社主導で進めやすくなります。
株式会社Sun Asteriskでは、社内人材の育成と並走しながら、システム開発やアプリ開発を支援した事例もあります。実際の取り組みや成果を知りたい企業担当者は、ぜひ事例集も参考にご覧ください。
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