こんにちは。Sun Asterisk AI開発チームです。
企業では、部門やシステムごとにデータが分散し、分析や意思決定に十分活用できないことがあります。こうした課題に対応するため、社内のデータを集約・管理し、業務に活用する仕組みが「データ基盤」です。本記事では、データ基盤の構成要素や導入メリット、構築の手順を解説します。
- データ基盤の意味と役割、いま必要とされている背景
- データ収集・蓄積・加工・分析という4つの構成要素の役割
- データ基盤を構築することで得られる4つのメリット
- 目的設定から運用改善まで、データ基盤構築の6つの手順
- 構築・運用を成功させるための体制づくりや人材確保のポイント
データ基盤とは?
データ基盤とは、企業内に分散しているデータを収集・蓄積し、分析や業務に活用するためのIT環境です。ここでは、データ基盤の役割や構成について解説します。
データ基盤の役割
データ基盤の役割は、社内に分散しているデータを集約・整理し、必要なときに活用できる状態に整えることです。データを一元管理すれば、複数の部門の情報を組み合わせた分析や、迅速な意思決定に役立ちます。
蓄積したデータを継続的に分析すれば、業務上の課題を把握し、改善策や新たな施策を検討する際の判断材料にもなります。
データ基盤が必要とされる背景
データ基盤が必要とされる背景には、企業が扱うデータの増加と、それに伴うデータの分散があります。営業やマーケティング、顧客管理など、さまざまな業務でデータが蓄積される一方、システムや部門ごとに管理方法が異なると、必要な情報を横断して把握することは容易ではありません。
こうした課題に対応するため、社内のデータを集約し、分析や意思決定に活かせるデータ基盤の整備が求められています。
データ基盤の4つの構成要素

データ基盤は、データの収集・蓄積から加工・分析までを担う複数の要素で構成されています。ここでは、主な4つの構成要素と、それぞれの役割を解説します。
データ収集
データ基盤では、まず社内のさまざまなシステムやサービスからデータを収集します。営業管理システムや顧客管理システム、Webサイト、IoT機器など、データの発生源は多岐にわたります。それぞれのシステムから必要なデータを取り込む仕組みを整え、形式や取得頻度の異なる情報を集約することが役割です。
データの収集方法を整理することで、異なるシステムの情報を組み合わせた分析につなげられます。
データ蓄積
収集したデータは、データレイクなどの保管先に蓄積します。データレイクは、表形式の構造化データに加え、画像や音声などの非構造化データも保存できる仕組みです。用途が決まっていないデータも保管しておけば、後から分析目的が生まれた際に活用できる場合があります。
また、過去のデータを保存しておけば、売上や顧客行動の変化を時系列で分析できます。
データ加工・統合
蓄積したデータは、分析に適した形へ加工・統合します。まず、重複データや誤記の修正、表記の統一などのデータクレンジングを行います。さらに、顧客IDなどの共通キーを使って各システムのデータを結び付ければ、顧客情報をまとめて分析できます。
データの抽出(Extract)・変換(Transform)・格納(Load)を順に行う処理をETLと呼びます。ETLツールを使えば、これらの処理を定期的に実行する仕組みを構築できます。
データ分析・可視化
整えたデータを分析・可視化すると、売上や顧客行動の傾向、業務上の課題を把握できます。BIツールを使えば、データの集計やグラフ化を効率的に行えます。
分析結果をダッシュボードにまとめると、主要な指標や業績の推移を一覧で確認できます。KPIの変化を継続的に把握することで、目標の達成状況や改善点を把握できます。
データ基盤を構築するメリット
データ基盤を構築すると、社内のデータをまとめて管理し、分析や業務に活用する環境を整えられます。ここでは、構築によって期待できる4つのメリットを紹介します。
社内に分散するデータを一元管理できる
データ基盤を構築すると、部門やシステムごとに管理していたデータを集約できます。データの重複や不整合を把握しやすくなり、統合処理を自動化すれば手作業による入力ミスも抑えられます。また、アクセス権限を適切に設定・管理することで、情報漏えいのリスク対策にも役立ちます。
データ分析や意思決定の効率化・精度の向上が見込める
データ収集から分析までの処理を自動化・標準化すれば、集計やデータ整形にかかる時間を短縮できます。また、複数のデータを組み合わせることで、経験だけに頼らず、客観的な情報に基づいて意思決定しやすくなります。
部門を横断したデータ活用につながる
部門ごとに管理していたデータを共有できる環境が整うと、営業やマーケティングなど、複数部門の連携が進めやすくなります。データを探す時間や重複入力を減らせるほか、分析手順や指標を共有することで、特定の担当者に依存しない業務体制づくりにも役立ちます。
新規事業やサービス開発に活用できる
複数のシステムに分散していたデータを組み合わせると、単独のデータだけでは把握しにくかった需要の傾向や顧客のニーズを分析できます。こうした分析結果は、新規事業の企画やサービスの改善に役立ちます。また、AIによる分析や予測に必要なデータを整えるうえでも、データ基盤は重要です。
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データ基盤を構築する手順

データ基盤の構築では、目的や活用方法を明確にし、必要なデータとシステム環境を整理することが重要です。運用や改善まで見据えて計画を立てることで、導入後もデータを活用しやすくなります。ここでは、構築の手順を6つのステップに分けて解説します。
1.目的とデータ活用の方針を決める
最初に、データ活用によって解決したい課題や達成したい目標を明確にします。ツールの選定を先行させず、解約件数の削減や業務効率化など、ビジネス上の目的を起点に計画を立てましょう。あわせてKPIを設定すると、施策の成果を評価しやすくなります。
2.必要なデータを整理する
次に、社内のどこに、どのようなデータが保管されているかを洗い出します。システム間の連携不足やデータ形式の不統一、品質のばらつきも確認しましょう。データの正確性や網羅性を評価するデータアセスメントを実施すれば、設計や開発のやり直しを抑えやすくなります。
3.データ基盤の構成を設計する
目的と現状を踏まえ、データの収集・蓄積・加工・分析の流れと、必要なシステム構成を設計します。クラウド型とオンプレミス型のどちらを採用するか、各機能を個別に導入するか、統合されたプラットフォームを利用するかも検討しましょう。将来のデータ量や分析ニーズの変化も見据えて設計することが大切です。
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4.データの収集・蓄積・加工環境を構築する
設計に沿って、データの収集・蓄積・加工を行う環境を構築します。主な要素には、生データを保管する「データレイク」、分析向けに整理したデータを蓄積する「データウェアハウス」、データを抽出・変換・格納する「ETL/ELT」の仕組みがあります。ETLはデータを変換してから格納する方式、ELTはデータを先に格納してから変換する方式です。
構築時は、最初から全社に展開するのではなく、特定の部門や用途に絞って試験的に導入するとよいでしょう。データを取り込み、正しく蓄積・加工できるかを検証してから対象範囲を広げることで、運用上の問題を早い段階で把握できます。
5.分析・活用できる環境を整える
BIツールなどを導入し、現場の担当者がデータや分析結果を確認できるようにします。操作性や画面の見やすさに配慮し、業務で使いやすい環境を整えましょう。たとえば、営業担当者が顧客情報や売上の推移を業務で参照できるようにすると、日々の判断にデータを生かしやすくなります。
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6.運用しながら改善する
データ基盤は、構築後も継続的な見直しが必要です。利用状況を踏まえてデータの更新頻度や検索性を改善し、新たなデータソースや分析ニーズに応じて機能を追加します。
また、社内への周知やユーザーへの研修、データの取り扱いに関するルール整備も欠かせません。事業や組織の変化に合わせて運用方法を見直し、データを活用し続けられる状態を保ちましょう。
データ基盤の構築・運用を成功させるには
データ基盤は、導入そのものではなく、業務で継続的に活用することに意義があります。ここでは、構築後の運用も見据えた3つのポイントを紹介します。
データ活用の目的を明確にする
データ基盤を導入する際は、実現したいことを関係部門と共有しておきましょう。目標や活用方針について共通認識を持つことで、部門ごとの要望を調整しながら、導入後の活用につなげやすくなります。
部門横断で運用体制を整える
データ基盤の構築・運用には、情報システム部門だけでなく、データを保有・活用する各部門の協力が欠かせません。設計段階から現場の要望を取り入れるとともに、データ品質の責任者や更新ルール、アクセス権限の管理体制を定めましょう。
専門人材を確保する
データ基盤の設計・運用には、データエンジニアなどの専門人材が必要です。オンプレミス型では、自社でインフラの管理や障害対応を担う場面もあります。社内での人材育成に加え、外部パートナーへの委託も選択肢です。手順書の整備や複数人での情報共有を進め、特定の担当者に業務が集中しない体制を整えましょう。
まとめ
データ基盤は、社内に分散するデータを集約し、分析や業務に活用するための仕組みです。構築時は、データ活用の目的や必要な情報を整理し、収集・蓄積・加工・分析の環境を段階的に整えましょう。導入後も運用状況を確認しながら改善を重ね、業務に役立つ環境を維持することが大切です。
株式会社Sun Asteriskでは、データ基盤の構築やデータ活用、AIを活用したシステム開発を支援しています。自社に適したデータ基盤の構成や導入方法を検討している場合は、ぜひご相談ください。課題や目的に応じたシステム開発を通じて、データ活用の取り組みを支援します。